2016/03/23

春という季節。桜の少し手前。



死にかけてたひとが少し元気そうになっていて、よかった。
まだまだ大丈夫なんだろうなとなんとなく思っていたひとが、あっけなく亡くなっていたことを知る。
少し笑いさえ混じえながら淡々とした最期を語るもっとも親しかったひとの
その落ち着いた様子にもまた少し安心する。

とても悲しい夢をみてやるせなくて声を荒げている途中で眼がさめる。
たぶん寝言じみた大きな声も出してたのだろう。
思春期の昔からいつも、どうにもならない思慕や想いは悲しい夢をみて
現実に立ち還ってみれば本当にどうにもならないということに気がついて鎮まっていくのが常だ。
こんどもまたそうなのかと思いながら、心の流れ動いていくのにまかせてみる。
寂しいなあとは思うけれども。
山中で手折ってきたコブシの枝は、数日で花を開かせてはすぐにもう散ってしまった。
そもそもはじめからそれを目にすることもなければ手折ることもなかったのに。
永遠に続く喜びはなくて、関わりが増えるほど悲しいことや煩わしいことも増えてしまう。
最近あんまり笑ってないなあ。

2016/03/10

brand new day

新しい日々のはじまりに、まずヤカンを磨いた。
タバコはやめていない。窓の下でしか喫ってないけれど。






2016/02/18

wandering



ようやく見つけたと思った安息の場も、扉は固く閉ざされて再び開くことはないようだ。
もうすでに自分は、そこに居られるようなひとではないのだと知らされた日。
心を安らかに置くことができる場所を求めて、また人の間を彷徨うことになるのか。

2016/02/13

笑てなしゃあない。







現実を直視すれば、いろんなことがなんだかもうすっかりあかん感じになっていて、
そんなことしていたりこんなことしている場合ではないほどのドンヅマリなのだけれど
とりあえず目の前のあれこれを片づけてやり過ごして、うまいことのりきったら後はなるようにしかならず。
答えの出ない話に長いことつきあってくれたあとの「眠れるか?」のひとことが耳に残る。
まあなあー。しんどいことも悲しいこともそれもこれも全部現実として受け容れて
笑てる場合じゃないのかもしれへんけど、笑てなしゃあない。
まあ、とりあえず寝るわ。

2016/02/02

小林且典「静物学〜見つめているもの、そして見つめてきたもの〜」

小さきものらの、圧倒的な存在感。







京都大学大学院教授・岡田温司氏が、モランディとの共通性を指摘する、
確かな手仕事の技術が生み出す、小林且典作品の静かな気配とたたずまい。
丹念に慈しむように作られた彫刻作品とため息が出る美しさの写真作品。

小林且典展「静物学〜見つめているもの、そして見つめてきたもの〜」
2月28日まで

GALERIE ASHIYA SCHULE
芦屋市親王塚町3-11
12:30〜18:30 

2016/01/25

ジョルジュ・モランディ展【終わりなき変奏】ー兵庫県立美術館

1月23日、日本では美術館規模の展示としては17年ぶりの「ジョルジュ・モランディ展」の県美の新しい試み「学芸員の解説つきブロガーのための内覧会」に参加してきた。













モランディという画家を知ったのはその画家自身の絵画からではなく、おなじくイタリアの写真家ルイジ・ギッリが生涯の最後に情熱を傾けて撮影した「モランディのアトリエ」写真であり、その名と作品をはっきりと記憶するようになったのは、2013年に同じく県美で開催された彫刻家・小林且典さんの展示「薄白色の余韻」であった。
同展自体の図録はなかったのだが、追って取り寄せた小林氏が前年静岡市美術館で開催した展示「ひそやかな眼差し」の際に編纂された作品集「ひそやかな眼差し」の序文、美術評論家・岡田温司氏が『「気配」と「たたずまい」ー小林且典への手紙』のなかで、モランディと小林氏の共通性にふれ、その本質を「反復」、芸術の理念を「手仕事」ととらえ、「素材や技法との絶えざる格闘、そしてそのうちにこそ美が宿るという深い信念」と語る。そして「その美は、(中略)けっして奇を衒うというのではなくて、小さな差異、小さな変化を日々くりかえし積み重ねていくことのうちに、積極的な価値を見いだすこと。」であると言う。

「終わりなき変奏」というタイトルがつく今回の展示は、素描から油彩、エッチングまで100点あまりの作品が展示されていて、周知のとおりそのモチーフはありふれた壜や器だし、何年隔てても同じモチーフが繰り返し描かれているが、内覧に先立って行われた学芸員の方によるレクチャーによれば、「同じものを描いていてもそれはアレンジではなく、それぞれゼロからの表現を試みているのではないか」との考察があったが、一見すると「ブレない」(昨今意識高い系人間にとって最強のフレーズ且つ個人的にはあまり好きではない言葉)姿勢のように思えるモランディの絵画についても、語られるべきは対象物の同一性やそのような「ブレなさ」ではなくて、小さな変化や少しの差異に意識を砕き、変哲もない器を確かな存在感とたたずまいを感じさせる物体へと昇華させる絵画手法や「手仕事」的技法に基づいた、反復によって明らかになる「小さな変化」という美への探究心なのではないかと思う。







展示会場、それぞれのセクション壁面にレタリングされている、寡黙であったというモランディの言葉が絵画作品とともに現実や日常への意識をあらためて考えさせる。
それは会場で確認していただくとして、ここでは前出の岡田氏の文からキルケゴールの言葉を孫引き。
「反復ーーこれこそが現実であり、生存の厳粛な事実なのだ」「人生は反復であり、反復こそが人生の美しさである」

ジョルジュ・モランディ展「終わりなき変奏」は2016年2月14日[日]まで。
兵庫県立美術館
休館日/月曜日(1月11日[月・祝]は開館、1月12日[火]休館)、年末年始(12月31日[木]、1月1日[金])
開館時間/午前10時~午後6時(金・土曜日は午後8時まで) 入場は閉館30分前まで